抄録
1991年の廃棄物処理法の改正により, 人の健康や生活環境に係る被害を生ずるおそれのある廃棄物を「特別管理廃棄物」として指定し, 排出から最終処分に至るまでの適正な処理を確保するため, 通常の廃棄物よりもその管理を強化・徹底することとされた。本稿では, 特別管理廃棄物の制度導入の経緯や基本的考え方についてふれるとともに, 特に特別管理一般廃棄物として指定された, ごみ焼却施設から生じたばいじんについて, 指定の背景や政令, 厚生省令での指定方法, ばいじんの性状や排出実態等を示した。また, 特別管理一般廃棄物であるばいじんを適正に処理するため, その処理方法の選定, 処理計画の内容や留意事項, さらに, ばいじんの中間処理物の最終処分について述べた。ばいじんの処理については, 技術面や経済面において, 今後, さらに進展がみられる分野であると考えられる。