抄録
本研究の目的は、それぞれの産業における日本企業の人事施策の同質化と差異化の程度を分析することにある。俗に人事は流行に従うと言われるように、人事は流行の人事施策を採用する傾向が強いと言われる。本研究では、16 業種 209 社の人材育成、採用、キャリア施策、キャリアデザイン研修の施策に関して、産業ごとの同質化と差異化の程度を分析した。分析は、施策採用の傾向を分類するためにクラスター分析を行い、そのクラスターをもとに多様性指標によって同質化と差異化の程度を検討した。その結果、一様な同質化の傾向ではなく、施策のカテゴリあるいは産業ごとにその程度が異なることが示された。
これらの結果からは、人事施策に関しては、特定の人事施策については同業他社を参照対象として同質化が行われると考えられる一方で、業種にかかわらず規模や先端事例を参照対象として同質化が行われている可能性も示唆された。