Works Discussion Paper
Online ISSN : 2435-0753
成果給が企業のパフォーマンスに与える影響
齋藤 隆志
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2015 年 6 巻 p. 1-15

詳細
抄録

本研究では、リクルートワークス研究所「人材マネジメント調査」と、日経 NEEDS から得た財務指標等を組み合わせたデータセットを用いて、成果給やそれを補完する人事施策・制度が生産性、業績、離職率といった企業のパフォーマンスにどのような影響を与えるかについての実証分析を行った。その結果、成果給は単独でこうしたパフォーマンスに対して一定のポジティブな効果を持つことがわかった。また、成果給を補完する人事施策・制度として裁量労働制、目標管理制度、360 度評価、早期選抜制度、社内 FA 制度を組み合わせて用いている企業のパフォーマンスも高かった。しかし、成果給とこれらの間に補完性を見出すことはできなかった。また、成果給以外の各種の賃金制度については単独項・交差項とも生産性や業績に有意な効果を持たなかったものの、職能給が離職率を低下させる効果を持ち、成果給と組み合わせた場合に職能給と職務給がともに離職率を高める(成果給の離職率低下の効果を弱める方向に働いている)ことがわかった。

著者関連情報
© 2015 株式会社リクルート リクルートワークス研究所
feedback
Top