X線分析の進歩
Online ISSN : 2758-3651
Print ISSN : 0911-7806
原著論文
蓄電池解析のための軟X線ビームライン(立命館大学SRセンターBL-11)の開発とその応用
山中 恵介吉村 真史中西 康次渡辺 巌太田 俊明
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 48 巻 p. 273-283

詳細
抄録

立命館大学SRセンターにおいて,蓄電池解析に特化した軟X線XAFSビームラインBL-11の建設を行った.BL-11では刻線密度,溝深さの異なる3つの不等間隔刻線平面回折格子を用いることで50~1200 eV領域のXAFS測定が可能であり,多モード同時計測システム,大気非暴露測定システム,有効作動排気システムを有している.このビームラインの有用性を実証するため,充放電サイクル試験を行ったLi2MnO3正極についてのex-situ XAFS測定と充放電過程におけるLiMn2O4正極のin-situ XAFS測定を行った.前者の実験から多モード同時計測システムによる深さ方向分析が有用であること,後者の実験から新開発の全固体蓄電池用測定セルが正極の化学状態変化の直接観察に利用できることが,それぞれ示された.

著者関連情報
© 2017 公益社団法人日本分析化学会 X線分析研究懇談会
前の記事 次の記事
feedback
Top