X線分析の進歩
Online ISSN : 2758-3651
Print ISSN : 0911-7806
分析応用
偏光光学系蛍光X線分析装置を用いたカカオ製品原料の微量元素分析と原産地の特性化
斉藤 修裕井上 昂哉小野 美帆保倉 明子
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2021 年 52 巻 p. 243-256

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抄録

三次元偏光光学系エネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いて,カカオ製品の原料となるカカオニブおよびカカオマスに含まれる微量元素の定量分析を行った.3つの2次ターゲット材(Ti,Ge,Mo)を用いて,300秒ずつ測定して12元素(P,S,K,Ca,Mn,Fe,Ni,Cu,Zn,Br,Rb,Sr)が検出された.認証標準物質の測定から算出した最小検出下限は,サブppmレベルとなった.検量線法により,カカオニブおよびカカオマスの8元素(Mn,Fe,Ni,Cu,Zn,Br,Rb,Sr)の定量を行った.得られたカカオマスの元素濃度を用いて多変量解析を行ったところ,アフリカ,中南米,ベトナム,インドネシアのように地域のグループ化をすることができた.

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© 2021 公益社団法人日本分析化学会 X線分析研究懇談会
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