薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077

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リバスチグミンパッチの皮膚障害に対して薬局薬剤師が処方提案し奏功した1 例
緒方 孝行畠山 規明鶴田 悦子森 博美松野 英子
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論文ID: cr.2019-1902

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抄録

要 旨:リバスチグミンパッチ(以下,リバスチグミン)は認知症治療の経皮吸収型製剤として,その簡便性から広く臨床の場で使用されている.しかし高頻度の皮膚障害が発現することが知られており,その対処法も明確なものは確立されていない.今回,リバスチグミンの皮膚障害に対してステロイド・保湿剤併用療法の有効性を検討した.90 歳代女性,要介護2 で現疾患はアルツハイマー型認知症.イクセロン® パッチ貼付部位に痒みの訴えがあり,その対処法を検討した.リンデロン® V クリーム塗布では変化なし,リンデロン® VG 軟膏塗布ではVAS(Visual analog scale)はやや改善,ひっかき行動は継続した.そこでステロイドローション塗布後,保湿剤を上塗りするというステロイド・保湿剤併用療法を提案し実施したところ,VAS で改善が見られ,かつ皮膚状態に対しても有効性が確認された.この療法はステロイド単剤と比べ,リバスチグミン誘発の皮膚障害に対して有効である可能性が示唆された.

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© 2019 一般社団法人 日本薬局学会
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