論文ID: nt.2024-0009
本論文は,薬局薬剤師の不足数や2025年までの増員必要数から薬局の規模(薬剤師数)別に充足率や2025年の充足率見込みを算出するとともに,薬剤師業務内容の充足感や2025年までの増員必要性を調べ,ICTや調剤補助員の利用が薬剤師業務に与える影響を評価した.その結果,薬剤師1人の薬局は充足率が低く,現在の充足率が深刻化すると見込んでいること,薬局の規模にかかわらず「処方箋受付時業務」よりも「処方箋受付時以外の対人業務」の充足感が低いこと,ICTや調剤補助員の利用は薬剤師の対人業務を促進することを示した.特に薬剤師の充足率が低い薬剤師1人の薬局では「処方箋受付時以外の対人業務」での増員必要性が増加すること,薬剤師2人の薬局では調剤補助員の利用により同様な効果があったことから,今後,必要な薬剤師の供給が確保できれば,小規模薬局でもICTや調剤補助員の利用で対人業務を促進できることが示唆された.