山梨英和大学紀要
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FaulknerのペルソナPierrotとShadeの系譜
初期詩篇と長篇について
並木 信明
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2023 年 21 巻 p. 63-77

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抄録

 愛するEstelle Oldham の結婚はWilliam Faulkner の心を動揺させ、1918 年Canada の英国空軍に入隊させた。第一次大戦の休戦条約により彼の飛行士になる夢は絶たれたが、彼は故郷に戻り、負傷した飛行士の将校の演技をするようになった。空中戦で撃墜されたという偽りの経験から、才能あるFaulkner は重傷を負った飛行士を最初は詩に、その後は小説に登場させた。時々海外から帰郷して長期滞在をしたEstelle Franklin はFaulkner の想像力の源泉であり、詩を献呈する対象であり、作品中のニンフや若い娘のモデルでもあった。戯曲The Marionettes の中で、彼はPierrot と彼のShade という二つのタイプのキャラクターを作った。Soldiers’ Pay, Mosquitoes, Flags in the Dust / Sartoris など初期長篇の登場者に彼らの子孫を見出すことができる。The Sound and the Fury のBenjy の中でこの二つのタイプは首尾よく一体化している。

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