山口医学
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症例報告
内視鏡的に治療し得た再建胃管多発早期癌の1例
田中 雅樹柳井 秀雄松原 良尚木藤 朋子中村 陽平吉田 智治沖田 極
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キーワード: 胃管癌, 早期胃癌
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2004 年 53 巻 2 号 p. 103-107

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抄録
食道癌手術後の定期内視鏡検査により早期胃癌として発見され, 内視鏡的粘膜切除術 (strip biopsy) にて加療し, その6ヶ月後に異所性多発病巣を認め, 再度strip biopsyにて加療し得た再建胃管の一例を経験したので報告する.
症例は71歳男性. 表在食道癌根治手術後6年目に, 定期上部消化管内視鏡検査にて, 胃管後壁の0IIc型早期胃管癌を診断された. strip biopsyにて内視鏡的に分化型粘膜内癌を切除した. さらにその半年後の上部消化管内視鏡検査にて, 幽門輪近傍大弯側に0IIc型の異所性早期胃管癌が新たに認められた. 再度strip biopsyを施行し, やはり分化型粘膜内癌の診断であった. その後18ヶ月間再燃なく経過観察中である.
近年の食道癌治療予後向上に伴い再建胃管癌も増加しつつある. しかし胃管癌が進行癌の場合は手術侵襲も大きく, 予後も不良であることが多い. このため内視鏡的に根治が期待される段階での胃管癌の早期発見が, 非常に重要である. 食道癌術前における胃のスクリーニングの重要性もさることながら, 術後5年以上経過しても定期内視鏡検査を継続して行うのが望ましいことが示唆された.
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© 2004 山口大学医学会
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