山口医学
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症例報告
腹壁筋層内のみにポートサイト再発をきたした胆嚢癌の1例
尼﨑 陽太郎久我 貴之田中 裕也岡 一斉藤井 康宏山口 裕樹三谷 伸之永冨 裕二濱野 公一
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2013 年 62 巻 4 号 p. 229-233

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抄録
稀な腹壁筋層内ポートサイト再発をきたした胆嚢癌の1例を経験したので報告する.症例は60歳代の女性.平成17年1月,総胆管結石に対して内視鏡的乳頭切開術を施行し,総胆管結石を排石した.胆嚢結石症に対してLaparoscopic Cholecystectomy(以下LC)を行ったが,術後病理検査にて胆嚢癌と診断された.総胆管切除+リンパ節郭清(D2)を施行し,術後補助化学療法を行った.平成20年7月,右季肋部にポートサイト再発を認め,腫瘤切除術を施行した.腹腔鏡下胆嚢摘出術後に胆嚢癌と診断される頻度は1%弱であり,そのうちポートサイト再発を来した症例は15.6%と報告されている.ポートサイト再発の多くは,腹膜から筋層浸潤したものとされるが,本症例では筋層のみと稀な再発形態であった.
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© 2013 山口大学医学会
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