山口医学
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原著
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)様の症状を呈した患者における抗SFTSウイルス抗体の検討
石堂 亜希重岡 徹富永 貴元末廣 泰子福士 秀悦下島 昌幸西條 政幸高橋 徹
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2014 年 63 巻 4 号 p. 257-261

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抄録
届出報告に基づく日本国内の重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,SFTS)の死亡率が既報より高値である理由のひとつに軽症患者の診断が十分になされていない可能性がある.国内での軽症例を明らかにするため,2008年1月から2013年4月までに38℃以上の発熱があり,かつ血小板減少,白血球減少,肝トランスアミナーゼの上昇のうち1項目以上を有し当科にて入院加療を要した患者のうち,ウイルス感染の関与が疑われた患者について,SFTSウイルス感染の有無を後方視的に調査した.感染の有無は,回復期血清中の抗SFTSウイルス抗体を間接蛍光抗体法,ELISA法,50%プラーク数減少中和試験法にて検討した.対象患者は20代から80代の9例で,年齢は20代2例,30代3例,40代1例,50代1例,60代1例,80代1例であった.患者からの検体採取時期は,発症から5?66ヵ月(中央値は12ヵ月)であった.抗SFTSウイルス抗体は全例で陰性であった.本研究では軽症感染者を見出すことはできなかったが,軽症例の把握を進め,日本におけるSFTSの疫学を明らかにするためには,SFTSを疑う患者に積極的な調査を継続して行う必要がある.
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© 2014 山口大学医学会
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