抄録
医学生に対する入学後早期の体験実習(early exposure)の重要性が叫ばれて久しい.山口大学では,入学後間もない医学科1年生にEarly exposureの一環として,高齢者施設体験実習を行っている.その現状と課題について,実習後の学生アンケートの結果を中心に若干の文献的考察と共に報告する.アンケート結果等からは,体験実習を行った学生,施設の双方に好意的に受け入れられていた.また,我々が期待した介護現場の現状を体験することができたと回答した学生が88%に上った.その一方で,施設,学生,大学のそれぞれの立場からの問題点が挙げられた.これらの問題点を改善しながら,より適した実習体制を今後確立していく必要があると思われた.