山口医学
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症例報告
リンパ節腫大を伴わず発熱・下痢・咳症状が認められた非定型的猫ひっかき病の一例
大石 俊之清時 秀古谷 隆和小沢 博和安永 満
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キーワード: 猫ひっかき病, 発熱, 下痢,
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2018 年 67 巻 1 号 p. 15-19

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抄録

症例は75歳女性.断続的な発熱・下痢・咳を主訴に来院した.血液検査では軽度の肝障害と炎症反応の上昇が認められるのみで,CT検査でも症状の原因ははっきりとはしなかった.発症2ヵ月前から,ネコを飼い始めており,血清Bartonella henselae抗体価を測定したところ,IgM40倍,IgG>512倍と高値で陽性であり,猫ひっかき病と診断した.ミノサイクリンを投与したところ,速やかに症状の改善が認められた.原因不明の発熱患者では猫ひっかき病の可能性を念頭においておくことが必要である.

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© 2018 山口大学医学会
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