山口医学
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症例報告
審査腹腔鏡にて診断し,腹腔鏡下切除した仙骨前面巨大後腹膜神経鞘腫の1例
小佐々 貴博的場 勝弘中津 宏基北澤 荘平
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2022 年 71 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

 症例は38歳女性,左臀部痛を主訴に当院を受診.造影CT・MRIで腰椎L5・仙骨前面に小腸・腸間膜と近接する7cmの表面平滑な腫瘤を認めた.小腸GISTが疑われたが確定診断には至らず,診断・治療目的に腹腔鏡手術を施行する方針とした.審査腹腔鏡にて小腸に病変はなく,大動脈分岐部仙骨前面後腹膜に腫瘤を認め後腹膜腫瘍と診断した.画像検査で周囲に浸潤はなく,術中所見でも表面平滑で可動性があり,腹腔鏡下に切除を行う方針とした.S状結腸間膜を切開し下腹神経前筋膜を温存,腫瘍を周囲から剥離し切除した.合併症なく自宅退院,病理診断は良性神経鞘腫で再発なく経過している.仙骨前面後腹膜神経鞘腫は稀であり,術前に確定診断に至らない場合もある.本症例は審査腹腔鏡が局在診断に有用であり,一期的に切除が可能であった.腹腔鏡下切除した仙骨前面巨大後腹膜神経鞘腫の1例を経験し,文献的考察を加え報告する.

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© 2022 山口大学医学会
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