山口大学医学部附属病院歯科口腔外科において口蓋形成術後の就学前言語成績を明らかにすることを目的に,言語評価とナゾメーター検査を行った.
対象は,2006年8月から2017年11月の間に当科を受診し,口蓋形成術を行った男児8名,女児11名,計19名とした.評価方法は,日本コミュニケーション障害学会からの評価項目,開鼻声の有無,異常構音の有無とその種類,鼻漏出の有無と併せてナゾメーター検査を行った.
結果として,開鼻声は4例(21.1%)に認め,異常構音は,声門破裂音を2例(10.5%),鼻雑音は6例(31.6%)に認めた.鼻息鏡による鼻漏出の有無(重複例を含む)は6例(31.6%)に認めた.
言語評価とナゾランス値との関連性を検討するために,それぞれのナゾランス値の平均値を比較した.開鼻声を認める症例と認めない症例の平均ナゾランス値は54.3%と20.9%,また鼻漏出を認める症例と認めない症例の平均ナゾランス値は40.2%と22.2 %,異常構音を認める症例と認めない症例の平均ナゾランス値は42.4%と17.4%であった.そのなかで声門破裂音を認める症例と鼻雑音を認める症例の平均ナゾランス値はそれぞれ54.5%と38.3%であった.両者のナゾランス値には大きな差が観察された.
故に,ナゾメーター検査は口蓋裂患者の特徴的な鼻咽腔閉鎖機能や構音機能の状態をよく反映しうる有用な検査法であると考えられた.