2024 年 73 巻 3 号 p. 113-121
目 的:全身麻酔下に腹部手術を受け,術後にHCUへ入室した65歳以上の患者を対象として,せん妄の発現に関連する要因について検討した.
方 法:全身麻酔下に腹部手術を受け,術後にHCUへ入室した患者91名を対象者とした.せん妄あり群とせん妄なし群に分け,各要因についてχ2独立性検定を用いた群間比較を行った.また,各要因を説明変数,せん妄の有無を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った.
結 果:対象患者91名のうち,せん妄を発症した患者は9名で,発症率は9.8%であった.χ2独立性検定の結果,ハイリスク薬を内服している患者(p=0.046),血圧低下を来した患者(p=0.042)に多く発症していた.多変量解析の結果,ハイリスク薬の内服(OR=2.87),血圧低下(OR=6.08)の2変数が術後せん妄の関連要因として抽出された.
結 論:全身麻酔下に腹部手術を受け,術後にHCUへ入室した患者における術後せん妄の関連因子について検討した結果,ハイリスク薬の内服と術後の血圧低下が独立したリスク因子であった.リスク因子の把握やその対策に関して,他職種で協働して検討していくことが重要である.