抄録
エピドラスコピー, 硬膜外腔内視鏡は難治性の腰下肢痛を有する患者に対する診断法および治療法の1つである. 本法の特長は, (1) 侵襲度の低い方法であること, (2) 硬膜外腔の肉眼的観察所見が得られること, (3) 直視下の潅流, 洗浄, 癒着剥離が行えること, (4) 病変部位への確実な薬剤投与が期待できること, (5) 本法施行後の硬膜外ブロックの十分な広がりが期待できることである. この方法は, 我が国をはじめ米国, 英国, 独国, 豪州, 韓国などで難治性の腰下肢痛をもつ患者の診断治療に応用され, 椎間板ヘルニア, 脊柱管狭窄症, Failed Back症候群などで有用性が報告されている. 今後, 本法は難治性腰下肢痛に対する診断治療法の一つとして, 重要な位置を占めるようになると考えられる.