慢性腰痛患者に対するMcKenzie法の効果をRCTにより評価した. 対象は6カ月以上持続する下肢症状のない男性慢性腰痛患者50例で, ランダムにMcKenzie法を行ったA群25例 (45.1歳) と, 行わなかったB群25例 (43.1歳) に分けた. 2, 4週後に疼痛評価をJOAスコア, VAS, Facial rating scale (FRS), SF-36で評価し, 腰椎伸展・屈曲中の腰背筋酸素化を近赤外分光器 (NIRS) で評価した. 治療前JOAはA, B群でおのおの21.3/19.6点, VAS : 45.0/46.7と差を認めず, FRS, SF-36でも差は認められなかった. JOA改善率は有意差は認めなかったが4週後のVASではA群13.9, B群28.4とA群で改善を認めた (p<0.05). FRS, SF36では有意な改善は認めなかった. NIRSではOxy-Hb, Deoxy-Hb, SdO
2いずれも治療前後で有意差を認めなかった. 1カ月での疼痛評価および腰背筋酸素化におけるMcKenzie法の有効性は, VAS以外ではSF36をはじめ疼痛およびADLの改善は差を認めず, 腰痛の改善とともにみられる酸素化改善も認めないことから, ケアの対する満足度を示している可能性が高いと考えられる.
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