日本腰痛学会雑誌
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腰椎椎間板ヘルニア―発症から手術までの期間はヘルニアの脱出形態に関係する
橘 俊哉森山 徳秀山中 一浩荒川 晃岡田 文明草野 芳生吉矢 晋一
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2007 年 13 巻 1 号 p. 161-164

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抄録
腰椎椎間板ヘルニア手術症例における罹病期間,すなわち発症から手術までの期間と手術成績との関係を検討した.さらに罹病期間と術中に確認した脱出形態についても検討した.対象は過去5年間当科で手術を行い1年以上経過観察できた32例である.下肢痛の罹病期間と術前,術後のJOAスコアは関連がなかった.罹病期間が長い例で有意に後縦靱帯を穿破していないcontainedが多かった.また後縦靱帯を穿破したnoncontainedの方が罹病期間は短い傾向にあり,術前のJOAスコアもnoncontainedの方が有意に低く症状は強かった.術後1年でのJOAスコアは両群とも変わりなく改善した.罹病期間と手術成績は関係がなかったが,noncontainedは重い臨床症状を伴い早期に手術される傾向があり,containedの臨床症状は軽いが,改善しない場合長期の経過で手術が行われる傾向にあった.
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© 2007 日本腰痛学会
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