抄録
Oswestry Disability Indexは世界で最も広く使用されてきた患者立脚型の腰痛疾患に対する疾患特異的評価法のひとつである.本評価法も2003年に正式に日本語に翻訳され,その信頼性や妥当性の検証もある程度なされてきた.本評価法の特徴は痛みのための身体的な機能障害の評価だけでなく,腰痛のための社会的な損失を評価する項目も含むため,代表的な健康関連QOLであるSF-36の精神面の項目ともよく相関する点にある.最近,計量心理学的にも十分配慮された優れた評価法が本国でも開発されたが,Oswestry Disability Indexのように歴史のある同じ評価法を使用し続けることにより,過去の膨大なデータと直接比較可能であることの利点も大きいものと考える.