日本腰痛学会雑誌
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[特別企画]『腰痛研究のエビデンス・評価と臨床的展望』
Roland-Morris Disability Questionnaire(RDQ)によるアウトカム評価
鈴鴨 よしみ
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キーワード: 腰痛, アウトカム
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2009 年 15 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

Roland-Morris Disability Questionnaire (RDQ)は,患者自身が直接回答するPatient reported Outcomes(PRO)指標の1つとして位置づけられ,腰痛によって日常生活が障害される程度を評価する尺度である.「立つ」,「歩く」,「服を着る」,「仕事をする」などの日常の生活行動が腰痛のために障害されるか否かを尋ねる24項目に,「はい」,「いいえ」で回答してもらい,「はい」と回答した項目の数を加算して得点を算出する.RDQ日本語版は計量心理学的に十分な特性を持つことが検証されている.RDQは,1)項目と回答選択肢が少なく臨床で実施しやすいこと,2)全国調査により求められた基準値があること,3)すでに多くの研究に活用されていること,などが長所としてあげられる.一方で,1)少ない項目であるために個人を評価するには精度が不十分であること,2)精神面の影響を測定する項目が少ないこと,などが短所となりうる.目的に応じて尺度を選択することが重要である.

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© 2009 日本腰痛学会
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