抄録
腰椎椎弓切除術のパスの使用状況について報告する.対象は1998年9月∼2001年7月までに,腰椎椎弓切除術を行った58例(男31例:女27例),平均年齢70.7歳である.疾患は腰部脊柱管狭窄症38例,腰椎辷り症13例,脊髄腫瘍7例であった.パスの退院基準を独歩,入院期間は術後4週間と設定した.術後は早期離床・装具非使用とした.このパスを一定期間使用した結果を検討し,入院期間の再設定を行った.4週間の設定では平均術後入院期間28.2日.3週間の設定では平均術後入院期間21.0日,さらに2週間の設定では平均術後入院期間は14.1日と短縮された.術後成績もJOA score改善率でみると,72.5%(4週パス),81.0%(3週パス),79.8%(2週パス)と,悪化はなかった.今回の経験より,パスを使用することにより腰椎椎弓切除術において,治療成績を悪化させることなく入院期間の短縮が可能であることが証明された.