日本腰痛学会雑誌
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[投稿論文]
保存的に経過を見た腰部脊柱管狭窄症の予後
島  巌安竹  秀俊松田  英三上原  健治庭田  満之久門  弘
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2003 年 9 巻 1 号 p. 163-168

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抄録
腰部脊柱管狭窄症の自然経過を知る目的で,トレッドミルによる間歇跛行の評価を行った本症のうち,積極的に治療せず,5年以上経過した104症例に対し,アンケートによる予後調査を行った.死亡例を含めると,93例から回答が得られ,予後調査率は89.4%であった.初診時平均年齢:65.2歳,平均調査期間:8.3年である.予後調査結果は,経過観察可能であった症例,すなわち,ほぼ無症状で,良好なQOLを保っている症例(22例),適宜保存治療をする症例も加えた症状あるもADL可能例(23例)が約50%であった.神経根型が馬尾型より,間歇性跛行距離が長い方が短いより予後が良く,500 m以上歩行可能例は保存的に経過を見ても良いと考えられた.
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© 2003 日本腰痛学会
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