日本腰痛学会雑誌
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[投稿論文]
腰椎椎間板ヘルニアに対する保存的治療期間の検討
中川  浩之上村  幹男高原  健治
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2003 年 9 巻 1 号 p. 169-174

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抄録
麻痺のない腰椎椎間板ヘルニアの手術時期については,いまだ明確にされていない.今回,腰椎椎間板ヘルニア手術例を2群に分け,手術件数,術中所見を検討し望ましい保存的治療期間について考察した.【対象,方法】早期に手術を施行した1991?1996年の群と4週程度の保存的治療を勧めた1997年以降の群で比較した.後縦靱帯を破って髄核が脱出しているものを脱出型,破っていないものを膨隆型とした.【結果】1996年以前の症例は216例で1997年以降は127例であった.年齢,男女比には有意差を認めなかったが,年間の手術件数は1997年以降減少していた.両群間で膨隆型は94例,83例であったが,脱出型は98例,39例と有意に減少していた.【考察】後縦靱帯を穿破して脱出した髄核の自然消退が報告されているが,今回の結果もこれを裏づけるものと思われた.4週程度の保存的治療によって後縦靱帯を破って脱出したヘルニアは軽快することが期待できる.
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© 2003 日本腰痛学会
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