2003 年 9 巻 1 号 p. 58-62
入院加療した腰部脊柱管狭窄症195例中,神経根ブロックを施行した81例(男性38例,女性43例)について,その効果および予後に関する因子について調査し,その有効性について検討した.調査項目は入院時年齢,罹病期間,JOA score,病態,脊髄造影での狭窄の程度,後根神経節の位置,外側陥凹前後径および脊柱管前後径とした.各項目とブロック翌日の治療効果との関係はなかったが,ブロック施行後6カ月での予後については,術前JOA score,脊髄造影での狭窄の程度,外側陥凹前後径が関与していた.神経根ブロックの有効な症例は,病態としては根型あるいは根症状が主体の混合型であり,ブロック前重症度が低く,脊髄造影で狭窄の程度が軽いものであった.比較的高齢者の方が有効であり,DRGの位置がIntraspinal型であるものが良好であるが,その予後には外側陥凹の広さが関与していた.