日本腰痛学会雑誌
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[特集]腰部脊柱管狭窄症の保存療法とその適応
整形外科における血管性間欠跛行の割合および診断法
鳥畠  康充
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2003 年 9 巻 1 号 p. 63-67

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抄録

間欠跛行を主訴に整形外科を受診した患者117例に対し,腰部脊柱管狭窄(LSCS)と慢性動脈閉塞症(PAOD)の割合および有用な鑑別診断法を検討した.腰椎画像診断と下肢MR Angiography(MRA)の両検査を全例に施行した.その結果,血管性病変が関与した症例は30例,25.6%(PAOD群13例,合併群17例)に及んだ.鑑別診断に有用な身体所見は,立位負荷試験,姿勢因子,足背動脈拍動欠損,腓腹筋に限局した疼痛で,PAODの検出にはABPI測定が有用であった.間欠跛行患者の約4分の1にPAODの関与が認められた事実と,PAODの早期診断が社会的要請となってきた現状をふまえ,整形外科医は間欠跛行患者のプライマリードクターとしてPAODを積極的に診断すべきであると思われた.

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© 2003 日本腰痛学会
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