日本腰痛学会雑誌
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[特集]腰椎椎間板ヘルニアの保存療法とその適応
腰椎椎間板ヘルニアのMRIからみた保存療法の適応
石井  秀典今井  健小西  明角南  義文
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2003 年 9 巻 1 号 p. 74-79

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抄録

過去2年間に当院で入院治療を行った腰椎椎間板ヘルニア306例を対象とした.男227例,女79例で,入院時平均年齢は44.2歳(16∼83歳)で,腰下肢症状出現から入院までの期間は平均6.6週であった.保存的治療にて著明な改善がみられなかった153例が手術を要した.入院時JOA score,ブロック効果,予後,職業の臨床所見とMRIによるヘルニアのレベル・脱出部位・大きさ・migrationの程度・T2強調画像での輝度変化と脊柱管の形態を比較し,保存療法の適応について検討した.入院時JOA scoreが12点以下,重労働者,外側型と傍正中型,大きさが脊柱管の1/3以上と椎間板から椎弓根部までmigrationした症例が予後不良であった.正中型,migrationの大きい,T2強調画像で高輝度を呈す症例は,神経根ブロックがより効果的で予後良好であった.その結果よりMRI所見より腰椎椎間板ヘルニアの保存療法の適応に役立つヘルニアの番地図を作成した.

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© 2003 日本腰痛学会
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