日本腰痛研究会雑誌
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腰椎椎間板ヘルニアにおける臨床症状とCTMの検討
宮本 雅史白井 康正中山 義人今野 俊介金田 和容石田 晋
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1995 年 1 巻 1 号 p. 21-25

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抄録

従来, 腰椎椎間板ヘルニアの臨床症状に関する研究は多く認められるが, 神経根側の要因が臨床症状に与える影響を検討した報告は少ない.今回, われわれはヘルニアにより圧迫を受けている部位で後根が何本の根から構成されているかをCTMを用いて調査した.症例は35例で, 後根が1本であるGroupA (13例) と後根が2本以上からなるGroupB (22例) に分類した.両群間で臨床症状を比較すると, SLRや知覚障害の発現頻度には差はなかった.しかし, 下腿痛はA群では46%であったのに比べ, B群では86%と高率に認められた.このことは神経根を構成する根が多いほうが下肢痛の発現頻度が高い結果となり, 神経根側の要素がヘルニアの症状に反映される可能性を示唆するものと考えた.

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