抄録
ヨークシャー種26頭について, 脂肪量と屠体の各測定値との関係を追求した結果は次のとおりである。
1 ヨークシャー種雌の脂肪量と屠体の各測定値との間の相関係数は, 脂肪屠の厚さの平均値: 左半丸量 (重回帰)>脂肪層の厚さの平均値×左半丸量>脂肪層の厚さの平均値×屠体長×屠体幅>脂肪層の厚さの平均値×屠体長>脂肪層の厚さの平均値×屠体幅>脂肪層の厚さの平均値>左半丸量>屠体長×屠体幅>屠体幅>屠体長となっている。
2 ヨークシャー種去勢の脂肪量と屠体の各測定値との間の相関係数は, 脂肪層の厚さの平均値: 左半丸量 (重回帰)>脂肪層の厚さの平均値×左半丸量>脂肪層の厚さの平均値×屠体長×屠体幅>脂肪層の厚さの平均値×屠体長>左半丸量>脂肪層の厚さの平均値×屠体幅>脂肪層の厚さの平均値>屠体幅>屠体長×屠体幅>屠体長となっている。
3 最も相関係数の大きい脂肪層の厚さの平均値と左半丸量との重回帰で脂肪量の推定式を求めると,
雌 y=3.728x1+0.3635x2-12.068
去勢 y=2.829x1+0.502x2-12.734となった。
x1: 脂肪層の厚さの平均値 (cm)
x2: 左半丸量 (kg)
4 ヨークシャー種雌における適用試験の相関係数は0.97187, 実測値からの標準偏差は±0.90871kgとなり, 明らかに精度の向上が見受けられた。
5 ヨークシャー種去勢における適用試験の相関係数は0.97641, 実測値からの標準偏差は±1.02668kgとなり, 明らかに精度の向上が見受けられた。
本試験は浅井孝康が農林省畜産試験場の内地留学の期間中に行なったものである。