抄録
前回と同様の検定調査豚ヨークシャー21頭, ランドレース18頭を用いてカットした左半丸を筋肉, 脂肪, 骨等に分離した, 今回のものはすべて湯剥によるものである。
1 性および品種による筋肉の割合は, 両品種とも去勢したものより雌の方が3-4%多く, 逆に脂肪の割合が少くなっている。品種についてはヨークシャーよりランドレースの方が筋肉の割合が平均 (♀〓) 約6%ほど多くなっている。
2 筋肉の割合とロース断面積との関係は前回の調査では両品種とも有意な相関が認められたが, 今回の結果ではヨークシャーは正の高い相関が認められるが, ランドレースは有意性はなくむしろ負の低い相関を示している。
3 ランジル断面積と筋肉の割合については前回はヨークシャーに相関が認められたが, 今回は両品種とも有意な相関は認められなかった。
4 筋肉分離における精密法と簡易法を比較したところ両者の間には非常に高い相関が認められた。しかし全脂肪と筋間脂肪との相関は認められなかった。
簡易法で分離する場合ヨークシャーで約1.09倍, ランドレースで約1.06倍すると精密法における全脂肪量を推定できると考えられるが, このことについてに今後調査例数を重ねて検討する必要がある。
以上要約したが前回と異なった結果が出たものもあるが, これは調査例数, 材料, 湯〓, 皮〓との相違などに原因していると思われるのでこの点について調査例数を重ねて究明する予定である。