日本養豚研究会誌
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マメ科牧草利用による豚の飼養とその肉質
第5報 アルファルファミール30%配合による肉豚の飼養
吉本 正
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1972 年 9 巻 3 号 p. 103-109

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抄録

肉豚におけるマメ科牧草の利用性が高いことに着目して, アルファルファミールを, 30%添加した飼料を用い, その発育および飼料の利用性を検討し, さらに, と体の品質に及ぼす影響を調べるため本試験を行なった。
供試豚は, 対照I区4頭, 対照II区4頭に対し, 試験区は6頭として合計14頭を用い, 70日令より196日令までを, 飼養試験期間とし, その後は, と殺解体して, と体の品質を検討した。
対照I区の飼料は, 基礎配合飼料を100%給与したが, 試験区より給与養分量が高くなるので, 養分の近似した配合飼料を給与する区を設け, これを対照II区とした。試験区は, 基礎配合飼料を70%とアルファルファミールを30%添加したものを給与した。飼料は, 自由採食させ週1回, 残食を測定して摂取量を算出した。
その結果, アルファルファミールを給与した豚は, 対照I区, 対照II区と近似した発育を示し, 統計的に有意差はなかった。飼料要求率は, 対照I区より低かったが, 対照II区よりもすぐれていた。と体成績も, 対照区と差異がなく, 良好な数値を示していた。
これら発育およびと体の成績は, 海外における同様な試験成績よりも, 良好な値を示しており, アルファルファミールの質が良好であれば, 豚はよくこれを消化吸収し, アルファルファミールを30%添加しても, 穀実を主にした飼料と同様な増体を示すことが認められた。

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