1953 年 11 巻 12 号 p. 466-468
シリカゲル触媒を一定の温度に加熱し, これにクロルベンゼンと水との混合物をとおせば, 気相において加水分解がおこり, 石炭酸と塩酸ができる。クロルベンゼンと水の比率が一定の原料については, 分解率と接触時間の関係を近似的に均一系における一次反応と同一の形式で表わすことができる。この関係はこの反応のいろいろな関係を数式化する場合極めて好都合である。
また多孔質触媒の構造に仮定を設けて反応速度式を導き, 実測した反応速度と比較する方法に従つて, 触媒面の有効率を算出した。反応温度500℃で活性度の高い触媒では上述の推論によれば全長面積の50%だけしか完全に利用されていないことになる。