2011 年 20 巻 2 号 p. 147-153
カンラン石は様々な隕石の主要構成鉱物の1つである.衝撃を経験した隕石では,衝撃に伴う高温・高圧で,カンラン石がその結晶構造を変化させている.すなわち,カンラン石の高圧相であるワズレアイトやリングウッダイトへの相転移やシリケイトペロブスカイトとマグネシオブスタイトへの分解である.我々は,透過型電子顕微鏡や集束イオンビーム加工装置といったナノテク機器を駆使し,その相転移や分解メカニズムの解明を進めている.本論文では,最近,我々が取り組んだ幾つかの研究を紹介する.