2022 年 31 巻 4 号 p. 303-308
M型星における系外惑星探索は,太陽型星と比較して大規模にサーベイが行われておらず,スペクトル型が中期から晩期M型星では,惑星個々の特徴・分布や統計的な性質についてまだよくわかっていない.すばる望遠鏡戦略枠観測IRD-SSPは晩期M型星をメインターゲットに設定したドップラー法による系統的かつユニークな系外惑星探索プロジェクトで,すばる望遠鏡とIRD (InfraRed Doppler instrument) を駆使して2019年からサーベイを推進してきた.本稿ではIRD-SSPで検出した最初の系外惑星となるスーパーアースRoss 508 bについて報告する.