日本惑星科学会誌遊星人
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系外惑星「遠い世界の物語」 その16 〜晴れた惑星大気を持つ系外惑星の探査〜
川内 紀代恵
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2024 年 33 巻 1 号 p. 67-73

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抄録

現在,数十以上の系外惑星大気において様々な原子や分子による吸収が検出されているが,その多くは雲やヘイズに覆われているため予想より小さい.よって,将来の宇宙望遠鏡による系外惑星大気観測で効率的な成果を上げるためには,あらかじめ晴れた大気を持つ惑星を探しておく必要がある.系外惑星大気中でナトリウム吸収線は強く現れるため,小型の望遠鏡でも多くの惑星で観測可能である.そこで我々は,ハワイとオーストラリアの2 m望遠鏡に搭載された自作の多色同時撮像装置(MuSCAT3とMuSCAT4)に,惑星大気中のナトリウム吸収を観測するための狭帯域フィルターを取り付けた.本稿では,惑星大気中のナトリウム吸収線観測の説明と, 新たに作成した狭帯域フィルターについて今後の展望とともに報告する.

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