環境と安全
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早期公開論文
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  • 根津 友紀子, 張 宛瑩, 羅 蘭, 大島 義人
    原稿種別: 原著
    論文ID: 25G1201
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/03/05
    ジャーナル フリー 早期公開

    大学等で行われる化学実験では 、 正確な定量が要求される基礎的作業が多く存在する 。 本研究では 、 水の 計量操作 、 粉の秤量操作 、 中和滴定操作の 3 つの定量的作業を取り上げ 、 被験者実験の結果を数理的に解析 することで 、 各操作において目標値に近づけていく過程における「調整」に焦点を当てた比較検討を行った 。 水の計量操作では 、 水量の時間変化を指数関数で近似し 、 各試行における目標への近づけ方をその曲率とし て定量化した 。 粉の秤量操作については 、 薬さじを使って粉の投入回数と各回の投入量との関係を 、 P 制御 の考え方を参考にした漸化式で表現し 、 その定数と水の計量操作の曲率との間に相関があることを明らかに した 。 また 、 これらの指標が表す目標値近傍に向けた大きな近づけ方とは別に 、 最終的な目標値に精度よく 合わせる調整には 、 できるだけ少ない量を繰り返し入れるための細かい調整力が求められることが示唆され た 。 中和滴定操作については 、 ビュレット内の水面の下降挙動に基づいて初期・中間・最終の 3 つの段階に 分け 、 各段階における調整の特徴を 、 アイカメラを使った視線解析の結果とあわせて考察した 。 その結果 、 特に初期段階と最終段階では注視の対象が異なっており 、 液面の下降が主な注視対象である初期段階では目 標への大きな近づけ方が 、 またビュレット先端や溶液が入ったビーカーが主な注視対象である最終段階では 正確な中和点の探索のための細かい近づけ方が 、 それぞれ調整の本質であるといった 、 粉の秤量操作と同様 の傾向が示された 。 これらの結果より 、 3 つの操作には 、 扱う対象や目標値の意味合いが異なるものの 、 調 整の過程においては共通性が見られ 、 これらを定量的に解析することによって 、 作業間の類似性や相違 、 実 験作業における個人差 、 などに関する議論が可能になることを明らかにした 。

  • 周 睿, 陳 亜苗, 根津 友紀子, 富田 賢吾, 大島 義人
    原稿種別: 報告
    論文ID: 25H0701
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2026/01/30
    ジャーナル フリー 早期公開

    化学物質による労働災害を防止するために 2022 年 5 月に労働安全衛生法施行令の一部が改正され 、 化学物 質規制を従来の「物質ごとの個別規制」からリスクアセスメントを中心とした「自律的な管理」を基軸とする 規制に移行することとなった 。 大学等の管理・教育においては 、 専門家集団でありながら 、 初学者である学 生も多数所属しており 、 これらの学生等へのリスクの正しい理解に向けた教育体制の整備が不可欠である 。 本研究では既往の報告をもとに 、 実験者が自ら使用する化学物質の危険有害性を定量的に理解することを 支援する 、 化学物質の危険有害性の Web 可視化ツールを作成した 。 可視化情報として化学物質の急性毒性 、 慢性毒性 、 刺激性 、 環境毒 、 反応性 、 揮発性の 6 個の評価指標を採用し 、 その定量化基準を 、 GHS の情報や CREATE-SIMPLE の設計基準を参照して見直し設定した 。 次に各化学物質の危険有害性情報を安全データ シート (SDS) からを自動的に取得してくるシステムを構築 、 機械的に各評価指標を 5 段階で算出して 、 レー ダーチャートを作成し 、 Web 表示した 。 本検討により実験者が調べたい PDF をアップロードすれば簡単に レーダーチャートが作成され 、 危険有害性に関する情報を即時的に得ることが可能となった 。 このような仕 様から 、 化学物質に関する大規模なデータベースを持つ必要もなく 、 かつ GHS 情報の変更に対しては 、 各指 標に対して考慮する危険有害性情報を修正するだけで運用可能である 。 このレーダーチャートを用いた表記 法は一見して危険有害性の情報を認識できるものであり 、 このレーダーチャートの作成行程などを教育に組 み込むことで 、 リスクを教育する上での効果的な導入ツールとなる可能性が期待される 。

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