図書館統計の現状からみて, 統計は目的をもたねばならぬという標語を強調したいと思う。その意味は, Operation, System, Organizationの3つの視点からみて, 図書館活動の改善, 革新をいつも図るべきであり, それはORの場としてとらえることを意味する。このような見方は, 近年アメリカ等における図書館学及びドキュメンティションの発展方向においても認められるといえよう。情報科学研究所とか情報科学教室等といわれる研究機関なる諸機関のなかに, すべて来るべき新しい方向がみられる。それらの研究項目或はカリキュラムを見ると, 計算機のソフトウェーアー, システム解析, OR等がある。図書館統計はこうしてOR的接近が活用されるべきものである。すなわちとくに強調しているのは情報科学的なORへの接近が今後大きな比重を占めるであろうし, 図書館統計の活用はまさに, こうして一般的な進展に歩調をあわせて進んでゆかなければならない。
以上の一般論を若干の例について述べたのが§3である。そこでは, 閲覧指数, 座席数比, 大学図書館の組織問題, 大学図書館施設の基準, 大学図書館行政及び要員に関する諸統計という5つの項についてその内容を極めて概括的ではあるが紹介してある。
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