公認心理師:実践と研究
Online ISSN : 2436-7524
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原著論文
  • 大山 寧寧, 森光 玲雄, 宮本 教子
    原稿種別: 原著論文(展望研究)
    2025 年4 巻1 号 p. 9-18
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/01
    ジャーナル フリー
    このレビューでは,病院職員のレジリエンスを高めるための介入について記載された文献を統合し,概説することを目的とした。PRISMAガイドラインの手法に従い,2023年11月に6つの電子データベースを検索し,最終的に15編のランダム化比較試験が採用された。15編のうち10編でレジリエンスの向上が認められ,そのうち5編では3か月後も介入効果の持続がみられた。特に,認知行動療法やマインドフルネス,リラクセーションなど複数のアプローチを組み合わせることや,参加者が仕事とプログラムを両立できるようスケジュールに配慮するといった工夫が,介入効果の持続につながる可能性が示唆された。なお,適格基準を満たす文献が少なく,方法や結果の記載も不足していたため,バイアス・リスクの評価とメタアナリシスは実施していない。今後は,より厳密な研究手法を適用した介入研究やメタアナリシスによる研究結果の統合を進め,エビデンスを蓄積していくことが課題である。
資料論文
  • 野村 れいか, 平山 篤史, 平安 良次
    原稿種別: 資料論文(実践研究)
    2025 年4 巻1 号 p. 19-23
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/01
    [早期公開] 公開日: 2024/11/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,COVID-19発生施設のスタッフに対するメンタルヘルスケアのニーズを把握し,外部から支援に入りメンタルヘルスケアを行うには,どのような準備が支援導入に有用であるかを検討することを目的とした。クラスター発生施設で実施した心理支援の振り返り,および施設管理者を対象としたインタビュー調査の結果に基づき考察を行った。医療機関や高齢者施設がCOVID-19発生状況下で心理支援を要請するに至ったのは「スタッフの心理状態」「管理者としての懸念」「心理職への期待」があった。支援開始前に現場のニーズを確認し,具体的な支援方法を提示したこと,現場の状況に合わせて支援方法や形態を変えたことは管理者にとって「安心感」につながっていた。一方で,クラスター対応の中でスタッフのメンタルヘルスケアの必要性を感じていたが,どこに要請すればよいのかわからなかったことが共通して挙げられており,アクセスしづらかったことが示唆された。今後は支援窓口や支援に関する情報をよりわかりやすく地域の医療機関や施設に周知する工夫が必要である。
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