<目的>外科的治療の適応なしと判断されたが,理学療法中の心雑音聴取を契機に外科的治療に方針転換され,その後運動耐容能の向上を認めた一症例について報告する.
<症例>60歳代女性.理学療法実施中,時々,安静時には聴取されない心雑音を伴う呼吸困難を認めた.心肺運動負荷試験前後で心エコー検査を実施,嫌気性代謝閾値を超えた日常生活レベルの強度で,著しい左室流出路の狭窄を認め,外科的治療となった.術後リハビリテーションと自宅での身体活動により術後5 ヶ月には運動耐容能の向上もみられた.
<考察>理学療法実施時には安静時の病態評価だけでなく,運動時のモニタリングが重要であり,患者個々の日常身体活動に応じた評価も必要である.
<結語>理学療法は診療の一助にもなり,より良い結果に繋がると考える.
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