下垂足の症状に対しAFO が歩行機能改善目的で処方される場合には、リハビリテーション治療により得られた効果を、AFO 使用後に持続し、大きくすることが求められるが、歩行中のヒールロッカー・アンクルロッカー・フォアフットロッカー機能を適切に補助するAFO はほとんどない。そういった中で、2020 年以降にはENAPLE AFO、2022 年以降にはCarsha AFO が処方され、これらの組み合わせにより従来装具の課題を解決し、目的を達成するケースが多い。そのため従来装具の課題をもとに、これらのAFO について整理する。また、Carsha AFO は現時点でフォアフットロッカー機能を補助するAFO としては、国内外で唯一のAFO である可能性が高いため、実例についても紹介する。
本研究は、脳卒中片麻痺患者のニーズを装具やサービスに反映し、装具使用継続を支援する「装具サービスニーズ評価尺度」の有用性を検討した。本尺度は20 項目から成り、ニーズ充足度を1 ~ 5 点で評価する。装具ユーザ8 名と義肢装具士5 名を対象に、尺度への回答と半構造化インタビューを実施し、SCAT の手順で解析した。結果、評価尺度は装具やサービスの改善、コミュニケーション促進、アフターフォローに有用である可能性が示唆された。これらの結果から、評価尺度は装具使用継続支援に有用性が確認できた。一方、回答困難や項目表現の改善が必要性も示された。今後評価尺度の改良および尺度活用の社会実装を進める予定である。
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