骨盤外傷に対する近年の治療変遷に伴い, Preperitoneal Pelvic Packing (以下PPP), Angioembolization (以下AE), 創外固定を駆使しての集学的治療を行うことで生存率向上に寄与する報告が散見されている. そのなかでPPPは本邦では十分には施行されておらず, その背景としてPPPに伴う感染性合併症が危惧されている可能性がある.
当院では2017年から2024年までに重症骨盤外傷 (AIS 4点以上) を150例経験し, その内PPPを施行し30日以上の生存が確認できた11例の臨床的特徴, 治療経過, 特に合併症発生の有無に関して後方視的に調べた. 男性7例, 年齢中央値50歳 (14-85), 受傷機転は交通外傷が6例, 墜落外傷が4例, 不明が1例. ISS score 中央値45点 (33-57). 11例中9例でAEを施行し, 創外固定は5例で併用した. PPP術後合併症として骨盤内感染症を発症したのは2例 (18.2%) だった.
PPPは広く知られているものの, 実装されない傾向にあることを鑑み手技の定型化とSSI低減策を進めることで, 重症骨盤外傷の救命率向上に寄与すると考えられる.
抄録全体を表示