【目的】簡易型骨盤固定器具 (サムスリング, 以下骨盤固定具) を装着されて当センターへ搬送された症例の骨折型とその装着による骨折部の転位の変化を調査すること.
【方法】搬入時の画像で骨折型を分類し, 骨盤固定具の装着時と非装着時の画像がある症例では, その骨折部の転位の変化を調査した.
【結果】症例数は47例 (男性32例, 女性15例) で, 平均年齢は54.0±24.3 (15-101) 歳であった. 骨折型は骨折なし24例, 安定型骨盤輪骨折3例, 前方圧迫型 (APC) 5例, 側方圧迫型 (LC) 7例, 垂直剪断型 (VS) 1例, 寛骨臼骨折6例, 寛骨臼+骨盤輪骨折1例であった. 装着による転位の比較が出来た19例において, 装着によって骨折部の転位が減少したのが3例, 逆に増大したのが6例, 不変であったのが10例であった.
【結語】当センターへ搬送された症例は, 骨盤固定具の装着によって骨折部の転位を増大させる症例が多かった.
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