日本健康開発雑誌
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早期公開論文
早期公開論文の6件中1~6を表示しています
  • 入部 祐郁, 永利 梨乃, 松本 直幸
    論文ID: 202344G06
    発行日: 2023/05/09
    [早期公開] 公開日: 2023/05/09
    ジャーナル フリー 早期公開

    背景・目的 運動により睡眠潜時短縮や主観的睡眠感が改善し,温泉入浴により睡眠障害が改善すると報告されている.本研究は,ゲーム性や競争を伴う運動(フォト・ウォークラリー)と日帰り温泉入浴の組み合わせが睡眠に及ぼす影響を定量的に明らかにすることを目的とした.

    方法 フォト・ウォークラリーを90分間実施後,温泉入浴するイベントを熊本県内3温泉地域で実施した.参加者は3地域で男女計51名(34.0 ± 2.0歳)であった.参加前および参加日の主観的睡眠感,および睡眠中の加速度データから睡眠潜時等を推定した.参加日には身体活動量を測定し,イベント参加による気分変化を二次元気分尺度を用いて調査した.

    結果 イベントでの身体活動量は,3地域の平均値として8,529 ± 11歩,5.9 ± 0.1メッツ・時であった.温泉入浴後の気分は快適度が有意に増加し,参加日翌朝の主観的睡眠感じはそれぞれ起床時眠気16.8%,入眠と睡眠維持17.9%,疲労回復15.9%,睡眠時間26.1%,参加前よりそれぞれ有意に改善した(p < 0.05).

    考察 日中に風情のある街並みを歩くことで気分が良くなり,フォト・ウォークラリーによって活動量が増え,これに温泉入浴による快適度の上昇が加わることで主観的睡眠感が改善することが示唆された.

    結論 ゲーム性のある運動と温泉入浴を組み合わせたアクティビティは,心理面の充足を促し主観的睡眠感向上に繋がる可能性があることが示唆された.

  • 早坂 信哉, 古川 真也, 松枝 和輝
    論文ID: 202344G05
    発行日: 2023/04/24
    [早期公開] 公開日: 2023/04/24
    ジャーナル フリー 早期公開

    背景・目的 入浴方法は気泡浴など様々な工夫がなされており、1㎛未満の微細な気泡(Ultra fine Bubble:UFB)を混入させた湯も最近入浴に応用されている。本研究は水道水の沸かし湯とUFB給湯器(RUF-UE2406AW、リンナイ、日本)に付属しているUFB発生装置を用いて生成させたUFBを混入させた湯によるシャワー入浴での皮膚角層水分量、シャワー後保湿の差を明らかにすることを目的とした。

    方法 健康な成人女性16名を対象に水道水シャワーとUFBシャワーとしてそれぞれ40℃20秒部分浴(前腕浴シャワー)の同一被験者内ランダム化比較試験を実施した。シャワー前からシャワー30分後まで経時的に角層水分量の測定を行った。シャワー前とシャワー後の各測定時点での前後比較は反復測定のある一元配置分散分析と多重比較を行い、各同測定時点の群間比較を対応のあるt検定によって行った。

    結果 前後比較では水道水シャワーの角層水分量はシャワー後に有意に増加したが、30分後にもとに戻り有意差は得られなかった。一方、UFBシャワーはすべての測定時点で有意に増加した。群間比較では水道水シャワーと比較し、シャワー後の15分、30分の測定点でUFBシャワーの角層水分量が有意に多かった。

    考察 UFBシャワーは角層水分量を増加させ、シャワー後も保湿効果が高く、シャワー入浴後の肌乾燥が気になる者にとって効果的な選択肢となりうると考えられた。

  • 後藤 康彰, 西尾 真由美, 田中 秀宗, 芳賀 康平, 有泉 健
    論文ID: 202344G04
    発行日: 2023/03/30
    [早期公開] 公開日: 2023/03/30
    ジャーナル フリー 早期公開

    背景・目的 温泉地で仕事仲間と余暇を楽しみながら働く過ごし方(温泉ワ―ケーション)が、心身にもたらす効果を検討することを目的とした。

    方法 2020年12月~2022年3月に、インフォームドコンセントを得られた、リモートワーク導入企業等で働く健常成人133名(男性95名、女性38名、平均年齢38.7歳、SD10.8)を対象とした。被験者は企業単位を原則とし、2泊3日温泉地で自由に過ごす群(以下未介入群:104名)、3泊4日温泉地で健康関連アクティビティ(入浴・運動・食事・休養等)提供を受け過ごす群(以下介入群:29名)に分かれ、全国の温泉地(延べ25か所)で温泉ワ―ケーションを実施した。滞在前後に末梢血液循環、自律神経機能、唾液アミラーゼ活性、歩行能力・柔軟性、健康関連自己評価(12項目)、気分・精神の状態(POMS2短縮版)、消化器疾患症状尺度(GSRS)を測定した。

    結果 介入群・未介入群ともに、唾液アミラーゼ活性、歩行能力・柔軟性、気分・精神の状態(8下位尺度)、健康関連自己評価、消化器症状の有意な改善が認められた。介入群では、末梢血液循環の有意な改善、自律神経(交感神経・副交感神経機能)の有意な賦活も認められた。

    考察 温泉ワ―ケーションが心身に多様なベネフィットをもたらし、滞在中の健康関連アクティビティがベネフィットを増幅する可能性が示唆された。今後も温泉地を活用した働き方・健康づくりのあり方を検討し、勤労者・企業・温泉地への貢献に取り組みたい。

  • 小番 美鈴, 渡邊 智, 奥川 洋司, 石澤 太市, 松本 圭史, 綱川 光男, 園田 巌, 井戸 ゆかり, 早坂 信哉
    論文ID: 202244G03
    発行日: 2022/11/12
    [早期公開] 公開日: 2022/11/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的 未就学児(子)における浴槽入浴がもたらす子の健康感や機嫌などの変化について、子の浴槽入浴習慣、保護者の背景因子との関連を示す。

    方法 2021年1月に、全国の0~5歳の子を持ち調査参加に同意を得られた429名を対象にweb調査による自記式横断研究を実施した。そのうち、データ欠損を含まない369名を分析対象とした。浴槽入浴をすることで得られる子の変化を「寝つきが良くなった、健康になった、機嫌が良くなった、会話が増えた、特に変わらない」とし、子の浴槽入浴頻度、入浴剤使用頻度、保護者の子の入浴法の意識、保護者の幼少期における入浴の思い出との関連について二項ロジスティック回帰分析を行った。

    結果 浴槽入浴を習慣的に行っている子は84.32%であり、そのうち、浴槽入浴をしっかり行うことで心身の変化が得られた子は58.68%(寝つきが良くなった19.07%、健康になった14.40%、機嫌が良くなった14.40%、会話が増えた10.81%)、特に変わらない子は25.64%であった。浴槽入浴により、子が健康になった、親子の会話が増えたと回答した者は、入浴剤使用頻度が高く、保護者の幼少期における入浴で楽しんだ思い出と関連があり、子の機嫌が良くなったと回答した者は、入浴剤使用頻度が高く、皮膚への乾燥防止などの子の入浴法の意識と関連があった。

    考察 浴槽入浴から得られる子の健康感や機嫌、親子の会話などの変化は、入浴剤の使用や子の入浴法の意識、保護者の幼少期の入浴の思い出と関連している可能性がある。

  • 白井 禎朗, 佐久間 理英, 中村 美詠子
    論文ID: 202244G02
    発行日: 2022/08/31
    [早期公開] 公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー 早期公開

    背景・目的 従業員食堂に導入された機能性食品について、労働者の自由意思による摂取状況を客観的に観察して、その1週間当たりの摂取頻度分布および健康診断測定値と摂取頻度との関連を評価した。

    方法 対象者は先行研究で選出された男性労働者890人とした。食品摂取はICチップ付き食器を用いた電子精算システムにより客観的に評価をして、機能性食品が導入された2019年7月から2020年9月までの1週間あたりの摂取回数を算出した。機能性食品の導入前後の健康診断測定値の変化量を従属変数、健康診断の前12週間における1週間当たりの摂取頻度を独立変数にして、重回帰分析で関連を推定した。

    結果 健康診断の前12週間の摂取頻度分布は、大豆製品では、週0回は21.3%、週1回以上は43.8%、週2回以上は15.4%であった。大麦ごはんでは、週0回は74.2%、週1回以上は4.9%、週2回以上は2.0%だった。週0回を基準に、大豆製品では週1~2回未満(β: -7.16, p =0.030)、週2~3回未満(β: -9.50, p =0.016)、週3~4回未満(β: -12.23, p =0.046)の摂取頻度にLDL-コレステロールとの負の関連があった。大麦ごはんでは、週2~3回未満の摂取頻度に収縮期血圧との負の関連があった(β: -9.14, p =0.025)。

    考察 機能性食品導入後の従業員食堂において、男性労働者がそれらの食品を自発的に摂取した場合、大豆製品では週1回以上の摂取でLDL-コレステロールの改善、大麦ごはんでは週2回以上の摂取で収縮期血圧の改善が期待できる。

  • 石川 鎮清, 木村 哲也, 中村 好一, 近藤 克則, 尾島 俊之, 菅原 琢磨
    論文ID: 202244G01
    発行日: 2022/08/17
    [早期公開] 公開日: 2022/08/17
    ジャーナル フリー 早期公開

    背景・目的 医療経済学への社会的要請は高まっているが、担う人材は十分とは言えず、養成上の課題は多い。そこで医療経済学の人材養成の課題を把握し、解決策の方向を示すことを目的とした。

    方法 2つの調査を行った。量的調査では、主要2学会の抄録集を対象に近年10年間における医療経済学分野の研究発表数、人材数を調査した。質的調査では、国内の医療経済学分野における中堅研究者8人を対象に半構造化面接を行い、質的に分析した。

    結果 日本経済学会では一般演題に占める医療経済学関連の演題の割合が2000年代には2%~6%台だったが、2012年を境に8%~10%台へと増加していた。医療経済学会では、経済学系の発表者の割合が2000年代には4~7割の幅で上下していたが、2013年以降は、上昇に転じ、2015年~2016年は7割を超えていた。インタビュー調査からは、大学教育における医療経済学の課題、研究職ポストの不足、データ利用の促進の必要性、経済学系と医学系との協働の可能性の4つのカテゴリを抽出した。

    考察 量的・質的調査の結果、社会的ニーズの増大にもかかわらず、人材育成には課題があることが明らかになった。問題解決の方向性として1)重点的で継続的な人材養成、2)雇用ポストの創出、3)医療データの利用環境の改善促進、4)医学分野と経済学分野との協働の場の創設の4つが重要と考えられた。

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