濃縮性評価に用いられているQSAR式では代謝速度が予測困難なアルキルフェノール類7化合物について,RT-S9による分解反応速度を測定した.フェニル基の近傍にtert-ブチル基が配置されている化合物では酸化・抱合化反応が起こり難く反応速度が遅かった.当該結果とRT-S9反応液中の化合物の遊離基質割合fU,S9の実測値を用いて濃縮倍率を予測したところ,7化合物すべてについて濃縮性の分類が魚を用いた濃縮度試験の実測値による分類と一致した.これらの結果から,動物試験を実施することなく,in vitro試験系でRT-S9反応液中での代謝速度と遊離基質割合を実測することにより,精度よく化合物の濃縮性を評価できる可能性が示された.
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