東北家畜臨床研究会誌
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  • 星 史雄
    2000 年 23 巻 2 号 p. 39-54
    発行日: 2000/11/11
    公開日: 2009/04/22
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    著者は、ウシのβ2-microglobulin(β2-m)の分離・精製、並びに,β2-mおよびアルブミン(Alb)の定量法について検討するとともに、尿中蛋白質の動態について各種腎機能検査成績と対比して解析し、その病態と尿中蛋白質の診断的意義について検討した。初乳および重クロム酸カリウム投与により作出した一過性の実験的腎障害牛の尿蛋白質を分離材料として、β2-mを陰イオン交換とゲル濾過の二段階のカラムクロマトグラフィーによって精製することができた。SDS-PAGEにより算出されたβ2-mは分子量が11.9~11.8kDaであり、4つのisoformを持ち、その等電点はpl7.1、7.0、7.5および7.8であることを明らかにした。また、ウシβ2-mは98個のアミノ酸より成り、報告されている配列とは第17、72、および76残基目のアミノ酸がそれぞれAsp、AsnおよびGlnであり異なっていた。ウシβ2-mの定量は、avidin-biotin peroxidase complexを用いたサンドイッチ酵素抗体法(ELISA)による測定法を確立し、ウシの尿中Alb濃度の定量法としては、一元放射免疫拡散(SRII))法を応用した。この定量法を用いて、ウシの正常参照値を決定した結果、β2-mの血清濃度(Sb2)、尿中濃度(Ub2)、尿中分時排泄率(Eb2)、clearance (Cb2)、creatinine index (lb2)はそれぞれ3.6±1.35μg/ml(Mean±SD)、33.0±24.9ng/ml、514.0±435,3ng/min、0.27±0.25u1/min/kgおよび0.118±0.118ng/mgであった。また、Albの尿中濃度(UAlb)、尿中分時排泄率(Ealb)、clearance(Calb)、creatinine index (Ialb)はそれぞれ70±64μg/ml、806.1±374,5μg/min、0.05±0.02ml/min/kgおよび0.24±0.30μg/mgであった 。β2-mおよびAlbの診断的意義を検討するため、泌尿器疾患に罹患したウシ11症例および実験的に腎臓障害を作出した3頭のウシを供試し、尿 中のβ2-mおよびAlb濃度を測定するとともに、各腎臓機能検査を行い、併せて病理学的検査を行った。その結果、腎臓に障害が認められたものでは、β2-mおよびAlbのいずれかが異常値を示しており、特に、病理学的に間質・尿細管腎炎では尿中β2-mの増加が、糸球体腎炎では尿中Albの増加が認められた。また、Albとβ2-mの尿中濃度比(Ualb/Ub2)は、腎障害のうち、間質・尿細管腎炎で低下し、糸球体腎炎で上昇を示した。さらに、各種腎機能検査で正常を示したものでも、IalbもしくはIb2に異常値が認められ、尿中Albおよびβ2-mは既存の腎機能検査より診断的に感度の高いことが示唆された。一方、尿中Albやβ2-m濃度のcreatinine indexによる表示は、尿量の影響を受けないので、随時尿で検査が可能であり、診断的意義が高いと考えられた。
  • 2000 年 23 巻 2 号 p. 57-70
    発行日: 2000/11/11
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 23 巻 2 号 p. 71-73
    発行日: 2000/11/11
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
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