コンクリートの打上り高さが, 水平に埋込んだ異形鉄筋とコンクリートとの付着強度におよぼす影響を明らかにするために一連の実験を行なった。第1に鉄筋を上下層に水平に埋込んで15×15×30cmの供試体を用い, 上下層の鉄筋の付着強度比がほぼ70%であることを示した。つぎに, この付着強度の低下はブリージングによるものであると想定し, ブリージングに影響をおよぼすと考えられる, セメントの品質, 細骨材粒度, コンクリートのスランプ, コンクリートの強度, 鉄筋等の因子をそれぞれ2種選択し, 15×15×180cmのコンクリート柱を用いて付着強度を求めるとともに, 各層のφ15×180cmの供試体を用いてブリージングおよび圧縮強度の変化を調べた。この結果圧縮および付着強度の低下は, コンクリート柱の上部0~60cm程度の表層に限定される現象であることを明らかにした。
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