抄録
目的:循環器・呼吸器内科を受診する高齢慢性疾患患者を対象に,フレイル状態にある患者の割合や現状を明らかにする.
方法:中規模総合病院の一施設において,連続した5日間のうち循環器・呼吸器内科を受診した65歳以上の予約患者を対象にアンケート調査を実施した.基本チェックリスト総合点でフレイル判定を行い,フレイル・プレフレイル・健常の3群に分けた.基本チェックリスト総合点と構成要素の相関の比較,フレイル群と基本属性の関連の検討を行った.
結果:211名のフレイル評価は,フレイル判定が50.2%であった.フレイル群と関連のあった基本属性は,女性,年齢層が高い,薬の数が6種類以上,受診行動で送迎がいること,支援者に体調変化の指摘をされた経験であった.
結論:フレイル割合は先行研究の調査よりも高く,受診行動で送迎がいること,支援者から体調の変化を指摘された経験があることは,フレイルの進行を予測する特徴として外来看護で活用できる可能性が示唆された.