状態空間モデルの利用によりいろいろなタイプの時系列に関する予測,補間,成分分解,パラメータ推定などのさまざまな問題を状態推定の問題として統一的に取り扱うことができる。線形・ガウス型の状態空間モデルに対してはカルマン・フィルタによる効率的な遂次計算法が知られている。最近では,計算機の集約的利用により,非線形・非ガウス型の状態空間モデルに対しても同様の計算が実用化されつつある。これにより,ほとんどあらゆる形の高次元の非定常・非線形・非ガウス型時系列モデルを自由に取り扱うことが可能となる。本稿では数値積分とモンテカルロ法に基づく二つの方法を中心に解説し,いろいろなタイプの時系列データの解析への応用を示す。自己組織型のモデル構成法についても簡単に紹介する。
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