救急救命士養成校における心停止症例と内因性疾患の実習授業に,模擬患者・傷病者(SP)を導入した。その結果,シナリオのリアリティが高まり,実際の現場をイメージしたシナリオ想定が可能となった。学生は,言葉遣いやコミュニケーションの方法を工夫し,相手に応じて適切に対応していた。救急救命士養成校におけるSPや関係者役としての参加は,学生のモチベーションやコミュニケーションスキルを高め,学生同士とは異なる雰囲気で実習を行うことができた。今後の課題として,SP役として参加する際,事前に病態についての打ち合わせやフィードバックの時間管理が必要である。
【目的】救急救命士による小児院外心停止事案における,アドレナリン投与の疫学的特徴を明らかにする。【方法】2007年1月1日~2021年12月31日の全国ウツタインデータで小児院外心停止事案を抽出し,記述統計を行った。【結果】対象期間中,アドレナリン投与症例は691例で,アドレナリン投与実施事案数は増加の傾向がみられた。年齢別では8歳から増加しており,事案数に占めるアドレナリン投与実施事案数の割合は,ほとんどの年齢で10%以下であった。都道府県別でアドレナリン投与割合を比較したところ,突出して高い値を示した都道府県は認められなかった。神経学的転帰良好例の割合は,12歳以上の年齢グループでアドレナリン投与群が非投与群より高い値を認めた。【結論】アドレナリン投与実施事案数は年々増加の傾向がみられ,年齢別では,8歳からアドレナリン投与実施事案数,アドレナリン投与割合が増加していた。
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