【目的】院外心停止傷病者の年齢と救急救命士によるアドレナリン投与割合との関連を検討すること。【方法】2017~2021年の全国ウツタインデータを分析した。年齢区分を8~12歳,13~15歳,16~17歳,18歳以上の4群に分け,救急救命士によるアドレナリン投与の発生割合を各年齢群で比較した。さらに,低年齢群を基準として各群間の発生割合差を推定し,合わせて,線形回帰にロバスト分散を組み合わせて各群間における調整発生割合差を求めた。【結果】570,744例を解析対象とした。低年齢群は高年齢群と比較して救急救命士からアドレナリンを投与される機会が少なかった。調整発生割合差は,8~12歳と18歳以上の間でもっとも大きかった〔調整発生割合差(95%信頼区間),18.5(16.4-20.6)〕。【結論】年齢と救急救命士からのアドレナリン投与割合との間に関連を認めた。低年齢群ほど,救急救命士からのアドレナリン投与機会が少なかった。
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