日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ビデオ補助下胸腔鏡手術患者における術後在院日数が長期化する因子の検討
渡邊 達矢内田 貴洋徳永 愛利金 俊樹清野 ひとみ藤川 彩南 千尋神田 基生池田 法子松下 功
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論文ID: 23-38

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抄録

【目的】当院におけるビデオ補助下胸腔鏡手術(video-assisted thoracic surgery;VATS)患者の術後在院日数が長期化する因子について検討した.

【方法】VATS患者50名を対象に術後在院日数が11日未満の短期群35名と11日以上の長期群15名に分けて,身体機能や呼吸機能等の各調査項目を比較した.

【結果】短期群と比較し,長期群では術前呼吸機能(1秒量,対標準1秒量,最大呼気流速,対標準最大呼気流速,対標準一酸化炭素肺拡散能)が有意に低値を示した.術後肺合併症の併発率は,⻑期群が短期群に⽐べて有意に⾼かった.

【考察】術後在院日数を長期化させる因子は,術前の呼吸機能低下と術後肺合併症であった.術前の最大呼気流速は,手術適応を決定する上で重要とされる1秒量や一酸化炭素肺拡散能と同様に,術後在院日数の長期化リスク因子として有用な指標であることが示唆された.

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