超音波検査技術
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早期公開論文
早期公開論文の4件中1~4を表示しています
  • 長谷川 雄一, 柏原 敦, 中田 泰幸, 清水 公雄, 横山 航也, 伊藤 勝彦, 西谷 慶, 近藤 英介, 清水 善明, 石井 隆之
    論文ID: 327
    発行日: 2020/06/27
    [早期公開] 公開日: 2020/06/27
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    今回我々は誤飲したPress Through Package(PTP)シートの検出に超音波検査が有用であり且つ保存治療中の経過が追うことのできた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

    症例は60代男性.胆囊結石症の既往があり服薬時にPTPシートごと誤飲し受診.腹部超音波検査にてPTPシートの凸部形状やtwinkling artifactと呼ばれる虚像が明瞭に描出され,この特徴的所見が診断に有用であった.また経過観察にも腹部超音波検査が活用され,経時的にPTPシートの追跡が行えた.

    PTP包装は現在,広く普及している薬剤包装形態であり,誤飲防止の対策が取られているものの,誤飲による障害の報告は後を絶たない.誤飲を防止するには,服薬方法の啓発活動や薬剤包装様式の工夫が必要であると思われた.また,誤飲が発生したときに超音波検査が第一の選択肢になり得るものであり,誤飲に対する診断ツールとして超音波検査の有用性が示唆された.

  • 佐藤 久美, 神谷 久美子, 衣非 南美, 吉村 京子, 山下 雅美, 松本 順子, 泉 舞, 豊島 里志, 小野 稔, 光山 昌珠
    論文ID: 305
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/06/12
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    電子付録

    目的:乳腺線維腫症の超音波検査所見を検討する.

    対象と方法:対象は,2000年1月~2018年12月に当院で乳腺線維腫症の病理学的診断が得られた8症例17病変.これらの超音波所見を腫瘤では,形状,境界,境界部高エコー像,内部エコーレベル,内部エコー均質性,後方エコー,構築の乱れ,点状高エコー,血流について評価した.非腫瘤性病変では,乳管の異常,乳腺内低エコー域,構築の乱れ,多発小囊胞,点状高エコー,後方エコー,血流について評価した.

    結果と考察:全17病変中,9病変が腫瘤,8病変が非腫瘤性病変であった.腫瘤においては,形状は不整形,境界は不明瞭,内部不均質低エコーを呈し,後方エコーは減弱し,構築の乱れを認めた.境界部高エコー像は1病変のみで認められた.非腫瘤性病変では,8病変すべて境界不明瞭な低エコー域を呈し,構築の乱れを認め,後方エコーも減弱していた.構築の乱れは,17病変中15病変で,太い膠原線維束が周囲の組織を引き込みというよりむしろ押しやっているような組織像を反映し,束がねじれ,渦を巻くような特徴的な超音波所見を呈していた.ドプラでは,施行された16病変のうち13病変に血流信号を認めたが,豊富な血流ではなく一部に認めるものが多かった.浸潤性乳管癌(硬性型)や浸潤性小葉癌と類似した所見であったが,乳腺線維腫症では境界部高エコー像がみられない病変が多く,病変内に背景乳腺から連続する高エコー域がみられ,ねじれた渦を巻くような構築の乱れが鑑別点になりうると考えられた.若年者に多いことから年齢も鑑別の一助となり,また4症例が異時両側発生,2症例は同時両側に発生しており,患側は勿論,対側乳腺全域の慎重な検査が重要である.

    結論:乳腺線維腫症の超音波所見は,後方エコーの減弱と,ねじれた渦を巻く構築の乱れ,病変内に背景乳腺から連続する高エコー域を伴った境界不明瞭な低エコー腫瘤,あるいは低エコー域を呈し,境界部高エコー像がみられないことが特徴と考えられた.

  • 久保木 想太, 岡村 隆徳, 藤川 あつ子, 斧研 洋幸, 畑田 千紘, 桜井 正児, 信岡 祐彦
    論文ID: 308
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/06/12
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    目的:全身状態が良好である小児の特発性腸重積症に対する治療は,まず非観血的高圧注腸整復治療で整復が試みられ,整復困難な際は開腹手術が施行される.我々は整復困難となることが予測される超音波所見を検討することを目的に,当院で経験した症例の超音波画像を後方視的に再評価した.

    対象と方法:2003年2月から2018年4月に腸重積症と診断され,治療前に超音波検査を施行していた51例を対象とした.高圧浣腸の整復が成功した群と手術群に分類し,患者背景と,超音波所見は腸重積の先進部,外筒径,内筒進入脚径,内筒腸間膜径,外筒径と内筒進入脚径の差と比,外筒径と内筒腸間膜径の差と比,内筒腸間膜径と内筒進入脚径の差と比,液体貯留の有無について有意差検討を行った.

    結果と考察:有意差を認めた項目は,腸重積部の液体貯留の有無のみであった.嵌入腸管の浮腫性肥厚は内筒の嵌入強度を反映する所見と考えたため,内筒腸管に関連する因子を評価したが,有意な結果は得られなかった.腸管浮腫の所見は液体の漏出よりも軽度の血流障害の時期でも出現するため,血流障害の程度としては,より弱い所見を反映したものと考えられた.内筒の腸間膜径は有意ではないが大きいほど整復困難な傾向を示した.

    結論:内筒腸管径に関わる因子は高圧浣腸の失敗率に寄与しなかった.腸重積部の液体貯留は,他の因子よりも嵌入強度に関連する血流障害の強度を反映したものと考えられた.

  • 平田 有紀奈, 西尾 進, 楠瀬 賢也, 藤田 幸那, 荒瀬 美晴, 山田 博胤, 佐田 政隆
    論文ID: 316
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/06/12
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    目的:左室長軸方向ストレイン(GLS)は,正確で再現性の良い左室機能評価の指標とされているが,超音波診断装置間でのばらつきは未だ議論がある.本研究では,最新の超音波診断装置を用いることにより,GLSの装置間差が軽減しているという仮説を検証することを目的とした.

    対象と方法: 34名の健康なボランティアの測定を行った.心尖部の画像は,徳島大学病院超音波センターに導入された最新の超音波装置を使用して取得した.GLSの測定はそれぞれの装置に搭載されているソフトウェアおよび,装置非依存性ストレイン解析ソフトウェアであるEchoInsightを用いて測定し,比較した.

    結果と考察:各装置間でGLSに良好な相関が得られた(GE vs. Philips[r=0.678, p<0.001, Bias 1.1%, 2SD ±2.9%],GE vs. Canon[r=0.690, p<0.001, Bias 0.4%, 2SD ±2.5%],Philips vs. Canon[r=0.551, p<0.001, Bias 1.5%, 2SD ±3.2%]).EchoInsightを用いた場合,各装置で計測したGLSよりも相関関係は良好であった.

    結語:GLSの装置間差は過去の報告と比較して改善していた.さらにEchoInsightを用いて計測したGLSは,良好な相関関係を認めた.

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