超音波検査技術
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早期公開論文
早期公開論文の9件中1~9を表示しています
  • 佐藤 恵美, 西田 睦, 加藤 扶美, 山下 啓子
    論文ID: 329
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    目的:乳房造影超音波検査(CEUS)における背景乳腺組織の造影効果の程度と閉経状態や造影MRIの背景乳腺造影効果(BPE)を比較し,関連性について明らかにすること.

    対象・方法:対象は2015年4月~2018年4月までに当院でCEUSと造影MRIを同日に施行した症例のうち,撮像断面内にそれぞれ5 mm以上の厚さの乳腺組織と脂肪組織が描出されていた43症例.CEUSの造影効果は,径5 mm大の関心領域を背景乳腺組織と脂肪組織にそれぞれ設定して時間輝度曲線を作成,パラメータ解析にてピーク輝度(PI)を算出して背景乳腺組織と脂肪組織の比をPI ratioとして評価した.PI ratioと閉経状況,造影MRIにおけるBPE, マンモグラフィにおける乳房構成との関連性について検討した.

    結果・考察:閉経前後でPI ratioに有意差は認めなかった(p=0.242).BPEとの比較では,高BPE群で有意にPI ratioが高値を示した(p=0.03).乳房構成とPI ratioに有意な相関関係は認めなかった(ρ=0.053, p=0.74).MRIで高BPE群の症例は,CEUSで背景乳腺の造影効果が強いことが予測されると考えられた.

    結語: CEUSにおける背景乳腺組織の造影効果は,造影MRIで高BPE群にて有意に高度であるが,閉経状況や乳房構成との関連性は認めなかった.

  • 小野寺 亜希, 市原 真, 平田 真美, 木下 静江, 廣瀬 邦弘
    論文ID: 331
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    症例は50代女性.マンモグラフィで両側乳房に良性石灰化を認め,超音波検査(US)を施行.左乳腺外上区域に径16 mmの腫瘤を認めた.腫瘤は境界部高エコー像(halo)様に見える像を呈していたことから乳癌も否定できず,生検を施行した.病理組織像で腫瘤内にはアミロイドの沈着が高度で,アミロイドーシスと診断された.病変の境界部は組織学的に,アミロイドが脂肪組織の隙間に入り込むような沈着パターンを示していた.これは硬性型浸潤性乳管癌の浸潤先進部でみられる癌細胞と線維化,周囲の脂肪組織が混在する状態と類似性を認め,腫瘤の境界部がhalo様に見えた成因と考えられた.アミロイドーシスは全身性と限局性に大別されるが,本例はシェーグレン症候群に合併した限局性アミロイドーシスと考えられた.乳腺に発生する限局性結節性アミロイドーシスはまれであり,乳癌との鑑別が難しいとされている.US像と病理組織像を対比した症例はこれまで認められないため報告する.

  • 森 貞浩, 藤浪 麻衣, 矢島 麻里絵, 森 夕佳, 町田 直子, 井上 知彦, 箭内 紀史, 小野 嘉文, 高佐 顕之, 渡久山 哲男, ...
    論文ID: 333
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    電子付録

    目的:腸閉塞機転でパルスドプラ法を使用し得られたresistive index(RI)によって虚血進展予測と層別が可能かを検討すること.

    対象と方法:対象は腹痛精査目的のUSで腸閉塞機転を同定しえた64例である.保存的治療群と手術群でRIを比較し,receiver operating characteristics curve(ROC)で手術・腸切除要否のカットオフ値を算出した.さらに腸切除要否について多変量解析で血液検査データ,腹水,発症からの時間区分各因子のオッズ比を算出した.

    結果と考察:RIは保存的治療群に比し手術群で有意に高値で(0.73±0.06 vs.0.89±0.09, p<0.01),腸温存群に比し腸切除群で有意に高値であった(0.80±0.10 vs.0.94±0.06, p<0.01).RIの手術要否カットオフ値は0.79(感度87.5%,特異度91.7%),腸切除要否カットオフ値は0.85(感度100%,特異度72.5%)であった.多変量解析では発症からの時間区分とRI高値が腸切除に関連した.パルスドプラ法で拍動血流を認めてもRI高値の場合には静脈の絞扼,うっ血に伴う末梢動脈灌流の低下を示唆し静脈絞扼時期を示すものと思われ,この段階の手術で腸管を温存できる可能性があった.

    結語:腸閉塞例では閉塞機転局所のRI計測により静脈絞扼状態の評価が可能となり,RIが0.85を超える場合には絞扼性の可能性が高く腸温存のために緊急手術の検討が望まれる.

  • 山本 理絵, 宮﨑 明信, 梅橋 功征, 野﨑 加代子, 古野 浩
    論文ID: 339
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    電子付録

    症例は80代男性.2年前にStanford A型大動脈解離を発症し,ステントグラフト挿入,大動脈弁置換術,三尖弁形成術を施行.今回,呼吸苦にて他院より心不全疑いで当院受診した.来院時血圧は69/49 mmHgで明らかな心雑音は聴取できなかった.経胸壁心エコー検査では,壁運動低下なく,左室中部から心尖部まではやや過収縮であった.パルスドプラ法による左室流出路速度波形により算出した心係数は5.9 L/min/m2と高拍出状態であった.推定肺動脈収縮期圧は54 mmHgと上昇し,肺高血圧を示唆する所見を認めた.上行大動脈人工血管と周囲の自己血管間に無エコー領域を認め,自己血管径は66 mmと著明に拡大,カラードプラ法にて吻合部近位にleak flowおよび人工血管周囲に拍動性の血流を認め,仮性動脈瘤の形成が疑われた.大動脈弁短軸レベルで右肺動脈近位部の主肺動脈から肺動脈弁に向かう異常血流シグナルが観察され上行大動脈置換術後仮性動脈瘤から肺動脈への穿破を疑った.造影CTにおいても同様に仮性動脈瘤の形成および肺動脈への穿破が否定できない所見であり,仮性動脈瘤–肺動脈穿破と診断された.今回,我々は非常に稀な上行大動脈置換術後仮性動脈瘤–肺動脈穿破の症例を経験し,経胸壁心エコー検査が有用であったので報告する.

  • 原田 美里, 宮﨑 明信, 梅橋 功征, 野﨑 加代子, 古野 浩
    論文ID: 340
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    症例は60代男性.労作時の呼吸苦と咳嗽を主訴にかかりつけ医を受診し,内服薬を処方されたがその後も改善ないため前医に紹介された.経胸壁心エコー図検査で多量の心囊液貯留を認め,心タンポナーデ所見を呈していたため心囊穿刺が施行された.心囊液の性状は血性であった.3日間のドレナージ後,症状は改善し留置カテーテルを抜去したが再び徐々に心囊液増加を認めた.原因検索目的に造影CT検査を施行したところ,右房から心膜腔への造影剤の漏出を認め,開心術の可能性が高いことから当院に紹介となった.経胸壁心エコー図検査の心窩部アプローチにおいて右房心内膜側に腫瘤様エコーを認めたため,右側臥位右胸壁アプローチによる詳細な観察を試みた.右房自由壁心内膜側に44×38 mmと大きく多小葉性,内部は壁と等輝度で不均一な充実性の腫瘤様エコーを認めた.また,連続するように右房心外膜側に45×13 mmの腫瘤様エコーを認め心膜と癒着していた.右房から心膜腔内への血流は認めなかった.血性心囊液の原因は腫瘍出血と推測され準緊急手術となった.手術で腫瘍病変は切除され,病理検査において血管肉腫と診断された.今回我々は,心囊液貯留を契機に発見された心臓原発血管肉腫の1症例を経験した.原因不明の心囊液貯留を認めた場合,血管肉腫などの可能性も念頭に置く必要があり,右心系の観察には右側臥位右胸壁アプローチが有用であった.

  • 三浦 大輔, 崎田 光人
    論文ID: 342
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    目的:本研究の目的は,特発性孤立性上腸間膜動脈解離(Spontaneous Isolated Superior Mesenteric Artery Dissection: SISMAD)における超音波画像の経時的な変化を解析することである.

    対象と方法:対象は2013年3月~2020年1月に当院で超音波検査にて最初にSISMADと診断された21例のうち10例(平均年齢48.2±3.9歳,男10例)である.計測項目はSMAにおける最大外径,最小内径,最大狭窄率,平均狭窄率で,これらを発症日,発症から約3日後,約1週間後,約1か月後,約3か月後と分類した各フェーズで計測した.さらに各フェーズにおける,発症日を基点とした増減率を算出した.

    結果:最大外径:発症から徐々に血管径は拡大し,約1か月後に+9.8%と最大の拡大率となった.最小内径:約1か月後に−31.4%と最大の内腔狭小化が生じた.最大狭窄率:発症日から徐々に狭窄が進行し,約1ヶ月後に+26.3%とピークとなった.平均狭窄率:発症から約3日後に−3.3%とわずかな軽快傾向があったが,約1か月後には+22.5%とピークとなった.全てのパラメータは約3か月後にはピークアウトした.

    結語:SISMADの経時的超音波画像所見として,狭窄は約1週間後から一度増悪し,約1か月後にピークになる傾向を認めた.画像所見は増悪傾向となっても,腹痛の増強などの臨床所見に注意しながら,保存的加療が期待できる可能性がある.

  • 太田 寿, 扇谷 恵里花, 宮本 智子, 小林 薫, 中村 友彦, 宮内 昭
    論文ID: 313
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/03/30
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    電子付録

    目的:咽頭食道憩室は超音波検査において,甲状腺とは別個の物体として観察されるだけではなく,甲状腺結節のように観察されることがあり鑑別が必要な病変である.今回,多数の症例を検討し咽頭食道憩室の超音波所見の特徴と甲状腺との位置関係を明らかにする.

    対象と方法: 200X年から201X年の11年間に甲状腺超音波検査を施行した当院初診の症例のうち,咽頭食道憩室と判断した症例を対象とした.大きさ,境界,甲状腺との位置関係,内部構造,血流シグナルと嚥下動作時の超音波所見を検討した.

    結果と考察:初診症例152,365例のうち151例(≒0.1%)に咽頭食道憩室を認めた.大きさの平均18 mm,楕円形,位置は左側138例(91.4%),右側13例(8.6%),甲状腺側の境界は明瞭平滑で,一層の低エコー帯がみられ,背面側の境界は欠如か観察されず,内部の血流シグナルは認めなかった.甲状腺との位置関係では,埋没型(甲状腺内に大半が埋没)は78例(51.6%),中間型(甲状腺内に約半分が埋没)は62例(41.1%),非埋没型(甲状腺内には埋没せず背側から押し上げる)は11例(7.3%)であった.嚥下動作時に,憩室は甲状腺とは異なる動きを示し,甲状腺側の低エコー層は尾側の食道の粘膜層に繋がることが観察された.

    結語:咽頭食道憩室は超音波検査において,甲状腺内に埋没し甲状腺結節のように描出される症例が多数を占めている.頸部・甲状腺超音波検査に携わる者はこのことを十分に知っておく必要がある.

  • 谷内 亮水, 石田 真依, 上田 彩未, 宮元 祥平, 平井 裕加, 青地 千亜紀, 清遠 由美
    論文ID: 325
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/03/30
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    我々は心エコー図検査にて心房中隔脂肪性肥大(LHAS)が疑われた2例を経験したので報告する.症例1は70代の男性で,胃癌の術前精査のためにCTが撮られ右房内に34 mm大の脂肪濃度を呈する腫瘤を認めた.経胸壁心エコー図検査(TTE)では,心窩部アプローチにて心房中隔の頭側に45×48 mm大の高エコー腫瘤を認めた.卵円窩周囲の肥厚は認めなかった.経食道心エコー図検査(TEE)では,心房中隔に40~50 mm大の高エコー腫瘤を認めた.症例2は50代の女性で,心機能評価目的にて心エコー図検査が依頼された.TTEでは心窩部アプローチにて心房中隔の心室側の高エコー腫瘤を認めた.心臓CT画像では心房中隔はほぼ全体が境界不明瞭な脂肪濃度域に置換され,肥厚していたが,卵円窩部分は保たれていた.LHASの心エコー図検査による診断基準は,心房中隔の肥厚が15 mm以上で,卵円窩を通過する断面で特徴的なダンベル様の形態を有し,肥厚の原因を説明できる他の疾患を認めないこととされている.TTEでは心窩部アプローチが超音波ビームと心房中隔が直角となるために明瞭に描出され,有用と考えられる.

  • 宮﨑 明信, 山本 理絵, 岡村 優樹, 宮﨑 いずみ, 原田 美里, 時吉 恵美, 大迫 亮子, 是枝 和子, 城戸 隆宏, 中釜 美乃里 ...
    論文ID: 328
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/03/30
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    電子付録

    経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)施行患者の約1割で血栓弁を生じるという報告があり,塞栓症のリスクとなる.心エコーによる評価では大動脈弁最大血流速度(AV PFV)や大動脈弁平均圧較差(AV MPG)についての報告はあるがその他所見についての報告はない.今回,経胸壁心エコー図にて指摘しえたTAVI後血栓弁の6症例について心エコー所見を中心に報告する.

    Bモード断層像では5例でTAVI生体弁開放制限を認めた.カラードプラ法では5例で収縮期におけるカラーシグナルの収束,全例でカラーシグナルの欠損所見を認めた.血栓弁指摘時のAV PFVは,3.1±0.4 m/s, AV MPGは22.3±6.3 mmHg, 術後翌日との変化値は,AV PFV 0.9±0.1 m/s, AV MPG 11.3±2.9 mmHgと上昇していた.AT, DVI, EOAはほとんどの症例で延長もしくは低下していた.

    TAVI後生体弁ではAV PFVやAV MPGは必ずしも極異常値を示さないため,DVIやEOAは過去値との比較が有用であった.しかし血栓弁前後の変化値が小さい症例もあるため,Bモードでの開放制限やカラードプラ法を用いたカラーシグナルの収束・欠損も血栓弁を疑う重要な所見であった.経胸壁心エコー図では血栓自体の描出は困難であるが,注意深い弁の観察はTAVI後血栓弁検出に有用であると考えられた.

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